成果を上げるためには、他人がやらないようななにか特別なことまで付けたす必要があるように考える人もいるかもしれない。
知る人ぞ知る本とか、カリスマ講師の授業とか。
例えば、問題集を2冊やった人より、3冊やった人の方が多くなることって何なのだろう。
練習したその本の定着度で計算してみる。
60パーセントの定着度で3冊やるなら、60パワー+60パワー+60パワー=180パワーとなるだろう。
かたや、たった2冊しかしていなくても、95パーセントの定着度なら、95万パワー+95万パワー=190万パワーとなる。10万パワー以上の大差。
大きな差だ(いや、あんたが勝手に単位かえてるからっ!)。
特別な何かを遠くに探すのも、モチベーションアップにはなるかもしれない。でも、成果を上げるために重要なことは、目の前の当たり前のありふれたそれをやりきること、しかも完璧なまでに反復することの中に存在する。業界用語でいうところの、「精度を上げる」だ。
1周した後、勝負はそこからはじまる。2周目に取り組むのなら、得られるものは倍になる。しかも2周目ははじめの半分の時間で済むという。このようにして、2周目に取り組む時の学習はそれが2回目であるがために、高質の学習になる。量の向こうに質があるといわれるのはこういうことかもしれない。
遠くになんて探さなくても、1度やったその本の中に果実がつまっている。ギュウギュウに。
脳は考える。
あれ、あれれのれ?
これ、前にわかったはずだぞ、○みたいな印がついとるし。ちっくしょーなんで2回目なのにわかんねーんだ、あたし。くやしいぞなもし。ちっくしょー、今度こそ、覚えてやる!
ちっくしょー覚えとけよ、あたいがおぼえてやるからな、って。
そんな風にして、2回目なのにできない問題に対してのレスポンスが高くなるのが2回目の学習(復習)の効果である。
2周目には1周目にない発見がある。後ろの章で学んだ知識を使ったら、前の章の問題だってまた違った視点で解くことができることだってある。
勉強ノート1回目。印をつけた。わかったこと。できたこと。解けたこと。真似したこと。
勉強ノート2回目。×問題を中心にもう1回、自力で解きたい。きたー、今度は解けたぞ!さすが、俺。例題も見ないでいきなりやって解けちったもんねー。
勉強ノート3回目。限りなく100パーセント解けるようになってきたかな・・・。あの辺に書いてあったあのフレーズを使ってこっちの問題を考えてみようかな。くぅー、たのしいな。きたか、そうきたか、うんうん、ヴォクの頭の中の通りに模範解答にも書いてあるようだな。模範解答に真似されている気がするけど、まぁよいよい、みたいな。
何回でもボヤキながら、味わいながら、解いてみたい。
失敗は成功のマザーである。(by 長嶋茂雄)